会社員時代に人を動かすカリスマ性のある上司Yさんがいました。
Yさんが依頼をしたら、部下はもちろんのこと、他部署の人たちまで、はりきって協力します。
現に私もYさんの頼みはすぐに引き受けていました。
なぜ彼のお願いにみんなが協力するのか、Yさんを観察した結果・・・
Yさんはその人の優れたところを見つけるのがとても上手で、さらにそこを褒めるのです。
決してお世辞は言わず、的確に長所を見抜いて褒めるのです。
さらに周りの人たちや褒めた相手の上司にもそのことを伝え、さりげなく褒めた相手が上司からの評価が上がるようにもっていきます。
人間、誰でも多少なりとも「人に認められたい」という欲求を持っています。
褒められたり認められた側からすると嬉しくて、普段以上の能力を出そうと、はりきるのではないでしょうか。
当然、Yさんのチームは他のチームよりも、はるかに短期間で倍以上の成果を出していました。
一方でYさんのように人の長所を的確に見抜き、褒める人はめったにいませんでした。
数多くの上司たちと一緒に仕事をしてきた中で、ほとんどの上司は部下の欠点は指摘しても、部下の良いところや頑張ったことは褒めません。
決して悪意があるわけではなく、あくまでも部下に自分の欠点を直してほしいと言う愛情から指摘している場合もありました。
部下の良いところやがんばった内容はわざわざ伝える必要がないと思っているのかもしれません。
しかし部下からすると、自分なりに一生懸命がんばっているのにモチベーションの下がる言葉だけを言われ、せっかくの頑張りを認められなければ、やる気も失せます。
普段の業務が過酷すぎるので、自分にとって耳の痛いことを言われても、それを逆手にとって成長しようと考えられる人はほんのわずかでした。
逆に自分なりに死ぬ気でがんばって成果を出しても、褒められることもなく当たり前にされてしまうとモチベーションも下がります。
これは仕事に限らず、日常生活で人と関わる場合にも応用できるのではないでしょうか。
見え透いたお世辞はかえってしらけさせますが、「この人のここがすごい」と思う所を見つけたら、本人に伝えてあげると相手も喜び、幸せな気持ちになるかと思います。
そして人間関係も良好になるのではないでしょうか。
私もYさんを忘れず、見習っていきたいと思いました。
参考になれば幸いです。