幼少期から高校時代までの私は人が苦手でした。
とくに女子に対しての苦手意識が強かったです。
中には優しい人もいましたが、ほとんどの女子は性格が悪いものと思い込んでいました。
今思い返すと完全に井の中の蛙で実に短絡的でした。
高校時代、話したことや関わったこともない女子たちから悪口を言われたり、睨まれたり、無視されり、嫌がらせをされてきたトラウマがかなり影響していました。
私と関わって嫌いになるならまだしも、話したこともなければ、関わったこともないのに、敵視して攻撃してくる女子たちの行動は本当に理解不能でした。
当時のクラスの女子たちは集団で以下の嫌がらせをしてきました。
- わざと私に聞こえるように私の悪口を言う。
- 私をひとりにする目的で私と仲良くする女子を自分のグループに勧誘する。
- みんなで睨んでくる。
- 校内を歩いているとき、集団で後をつけてくる。振り返ると鬼のような形相で全員で私を見ている。
- 学校外でクラスの集まりを企画し、わざと私だけ呼ばない(男子に「なんで来なかったの?」と聞かれ集まりのことを初めて知る)
しかし私は平気でした。
彼女たちのグループに入ったら毎日同じ行動をして人の悪口と噂話を聞くハメになるからです。
彼女たちに本物の友情などあるはずもなく同じ行動をしながら、お互いに探り合ったり、憎み合っている場面を時々目にしました。
現にA子の決まっていた大学の推薦枠をB子が奪い、A子は浪人するはめになり、担任が号泣した事件があったことを後に知りました。
結局、女子が苦手なまま高校を卒業しました。
大学は男子が多く、仲良くしてくれる女子もいたので比較的恵まれていました。
そんな中、生活費、学費を稼ぐためにキャバクラで働くことになりました。
大学で仲良く話す女子はいたものの、私の女性嫌いは全く克服できていなかったので、当然高校時代のようにみんなで嫌がらせをしてくると思い込んでいました。
またキャバクラに対して、女同士のし烈な戦いが繰り広げられている戦場のようなイメージを抱いていました。
しかし生活がかかっているので、たとえ過激にいじめられてもそう簡単に辞めるわけにはいかないと覚悟していました。
働き始めてしばらくの間はキャストたちに油断せずに気を張っていました。
しかし働き始めて2週間ぐらい経った頃から、女性に対して抱いていたイメージが一変してきたのです。
キャストたちは魅力的なだけではなく、驚くほど性格が良いのです。
人への気遣いができ、話してみると驚くほど、精神年齢が大人でした。
人の不幸も喜ばず、誰かが酷い目にあっていたら、心配したり励ましたり力になったりします。
私はお酒が弱く、お客さんのボトルがなかなか減らないのを見て、ヘルプについてくれた彼女たちは私の売り上げに協力するために飲んでくれました。
後でお礼を言うと「お酒好きだから」とサラッと気をつかわせないようにしてくれました。
良い情報が入ると、惜しみなくみんなに広めてくれます。
当初はドレスのお店の場所を、地図を描いて教えてくれたり、使いやすいコスメを教えてもらいました。
さりげなく貸してくれたこともありました。
他人を攻撃することは皆無で、他人の恥は見ないふり、聞こえないふりをします。
聞かれたくなさそうなことはつっ込んで聞かない優しさや思いやりもありました。
大げさに言っているのではなく本当にみんな仲が良かったです。
待機室でのおしゃべりが楽しくてテーブルに呼ばれたくないぐらいでした。
キャバクラに勤めて私の中の今までの女性に対する思い込みが良い意味でガラガラと崩れ落ちました。
ほんの一部の心ない女子を見ただけで、悪だと決めつけるのは間違いだったことに気づかせてくれたキャバクラのキャストたちには今も感謝しかありません。