ある日、「数年前にパワハラが原因で自殺した人の遺族が裁判を起こし、労働基準監督署が初めて労災認定し、ブラック企業が遺族に慰謝料を払うことになった」というニュースがオキの部署で話題になりました。
それからのブラック企業は一変しました。
ブラック企業は人の命より利益が何よりも優先なので、パワハラを急に厳しく取り締まるようになったのです。
今現在、あなたはパワハラにあっていませんか?
あなたの周りでパワハラを見かけませんか?
どんな些細な事でも教えてくれというアンケートがメールでくるようになりました。
今までブラック企業がパワハラの対策をしなかったのはパワハラ被害者や遺族がみんな泣き寝入りをしていたからだったのです。
慰謝料を払ってから対策するのではなく、最初からこのような対策をしろよ!とオキは強い憤りを感じました。
社員の命を軽視するブラック企業は被害者遺族が泣き寝入りするだけで決して対策をしようとしなかったのです。
もし俺が社長で、社員がパワハラが原因で自殺するような悲劇が起きたら、自責の念にかられながら精神が病み、それでも這いつくばり二度と自殺者が出ないように死に物狂いで対策するのに・・・
しかしブラック企業の社長は、今まではパワハラで自殺者が出ても平気でいるだけではなく、パワハラの対策をしようともしなかった。
それどころか芸能人の女のケツを追いかけて遊んでいやがった・・・
社長こそがサイコパスではないかと思った。
同じ波動のものが引き寄せ合う法則で、サイコパスの社長の会社では同じくサイパのようなサイコパスが出世し、偉くなるような気がしてならなかった。
しかし今回、ブラック企業からの圧力にも屈せずに正義感に溢れた勇敢な労働基準監督署の判断により、遺族に莫大な慰謝料を払うことになってから、初めてブラック企業はパワハラを取り締まるようになったのだ。
ブラック企業にとっては利益が何よりも優先なので、次にパワハラで自殺者が出たら、また莫大な慰謝料を払うことになるので、必死に対策するようになっただけで、決して人の命を重視しているわけではないのだ。
ブラック企業がパワハラ対策をするようになってからは、社内では怒鳴り声がほとんどなくなり、明らかにパワハラは急激に減りました。
オキは自分がブラック人間になったところで、ブラック企業をタジタジにさせるどころか、会社を1ミリも変えることが出来なかった無力さを思い知らされるのでした。
ブラック人間になるのではなく、今回の労働基準監督署の人のように権力に屈せずに、エゴや保身とは真逆の自分の信念を貫き、納得いかないことや不正、悪事にはNOと言える人になることが重要なのだ。
そのような人たちがたくさん増えるほど、支配層やブラック企業の力が弱まり、世の中が良い方向に向かっていくのだ。
もし仮に、全人類が支配層に従わなくなれば、人類は支配層の支配から解放されるのは確かなのだ。
では、どうすれば従わずに済むようになるのか?
それは、支配層の作った社会システムやお金に依存せずに、動物のように自力で生きれる力を身につけることだ。
自力で生きると言っても、人間は太陽、空気、水、土、着るもの、食べ物、住む所さえあれば生きていけるので、難しいことではない。
オキは田舎で、隣近所がいない山の上にある畑付き、井戸付きの一軒家を購入し、そこに母を呼び寄せ、一緒に暮らすことにした。
田舎の畑付きの物件は安く購入できるので、ローンを組まずにキャッシュで買うことができた。
これで、食べ物や水は自給できるので、生きていく上で必要なものは全て揃ったとも言える。
しかし多少なりとも便利な生活を送るには電化製品が欠かせないので電力も必要だ。
電力はソーラーパネルで自給する予定ではいるが、いずれは自力でフリーエネルギーの研究もしてみたいと思っている。
コロナ茶番により、庶民の貧困化に追い打ちをかけるかのように、物価上昇、食糧品の値上がり、増税、社会保障費削減、収入減により庶民の生活がますます脅かされているが、
生活自給率を100%にすれば、支配層が改憲しようが、貧困化を加速させようが、どんな悪法を制定しようが、影響を受けなくて済むので痛くも痒くもない。
そしてオキは自分の自給自足生活をブログで発信することにした。
YouTubeで発信すると支配層の1%企業に餌をばらまく事になるので、YouTubeで発信するつもりはない。
ブログで発信することで、年老いた母と何の取り柄もない平凡な男でも、時間はかかっても生活自給率100%で暮らしていけることを人々に伝えたいからだ。
ブログを読んでくれる人たちの中で、たった1人でもオキに共感し奴隷社会から自立する人が出てくれば、水面の波紋のように日本中いや地球全体に「奴隷社会からの自立」が広がるような気がしてならないのだ。
これからは生活自給率を100%にすることで、今の社会はもちろんのこと、誰にも縛られず、お金にも縛られず、自分の心に素直に自由に生きるのだ。
オキが退職する日「自由になれて、うらやましい」と涙ぐみながら言ってきた人たちが数人いたことにオキは驚きました。
この「うらやましい」と言ってきた人たちにこそ、俺の自給自足の生活を見てもらいたいとオキは強く思いました。
オキは荷物をまとめて、皆に見送られながら会社の門を出た瞬間、解放感でいっぱいになりました。
そして黒い上着を脱ぎ、あらかじめ用意していた新品の白い上着を羽織り、振り返って皆に手を振るのでした。
完
PS この度は連載小説を最後まで読んでいただきありがとうございます。
今支配層はどんどん牙を剥き始め、改憲、食糧危機、物価上昇、増税、収入減、貧困化、戦争、水道民営化、環境破壊・・・etc
暗い情報で溢れ返っていますが、
世界を救う救世主が現れるのを待ったり、絶望的になったり、不平不満を言ったり、神頼みをしたり、合同瞑想したり、無理してワクワクするだけでは現実は1ミリも変わりません。
支配層が作った社会システムやお金に依存せず、支配層に従わず、皆で助け合いながら自力で生きれるようになれば、支配層の悪事を阻止することもでき、支配層の支配からも解放されるのです。