【小説】赤ちゃん、宇宙学校に入学する①

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残暑が厳しい初秋の日にひとりの赤ちゃんがこの世に誕生しました。

私はこの日をどんなに待ちわびていたことでしょう。

この子を身ごもってから、毎日つわりがひどくて食欲もなくなり、体重が5キロほど減ったり・・・

そんな辛い日々もありましたが、赤ちゃんの誕生を心の底から待ちわびていました。

そしてついに待ちわびたその日がやってきました。

信頼できる医師と看護師さんに介助され、ようやく赤ちゃんが私の中から外の世界に誕生してくれました。

赤ちゃんは生まれた瞬間、「オギャー亅と産声をあげました。

その産声を聞いた瞬間、私は気を失ってしまいました。

まさかこの日に生まれた赤ちゃんが、後にこの世界を救うことになるとは、この時は想像もしていませんでした。

そして深い深い眠りから目が覚めたら、赤ちゃんが目の前にいました。

そして赤ちゃんは私を見て、にーっと笑いました。

赤ちゃんは生まれて一日も経っていないのに、まるでこの世の全てを知り尽くしているかのような顔をしていました。

不思議とこれからは、この赤ちゃんに全てを頼ろうという気になってしまいました。

それまでの人生を振り返ると、私の辞書には「人に頼る」という考えはなく、困ったことがあっても、全て自分の力で乗り越えてきました。

そんな私でも不思議とこの赤ちゃんにだったら、どんな事でも相談できるような気がしました。

それからは赤ちゃんと二人三脚の日々が始まりました。

赤ちゃんはあの日以来、「オギャー」と泣く事もなく、どんな食べ物を与えてもおとなしく口を開け、オムツを変えて欲しい時はオムツをパンパンと叩いて合図をしてきたり、非常に手のかからない赤ちゃんでした。

そして一歳前にテクテク歩けるようにもなり、短い言葉も発するようになりました。

それから4年の月日が流れ、赤ちゃんは4歳になりました。

※この小説では赤ちゃんが何歳になろうとも、呼び名は「赤ちゃん」にしておきます。

赤ちゃんは幼稚園に行っても自分の知りたい事は何も教えてくれないと私に訴えてきました。

「どういうことか?」と聞いたら、赤ちゃんが知りたいのは

  • 宇宙の仕組み
  • 輪廻転生
  • 肉体と魂の関係
  • 脳と魂は別じゃないか?  

そういうことが知りたいそうです。

ところが幼稚園では、歌や運動、遊びしかやらないということでした。

私は赤ちゃんの言うことはもっともだと思い、幼稚園に行くのをやめさせました。

そして赤ちゃんを本屋に連れて行き、赤ちゃんが欲しいという本を全て買い揃えました。

赤ちゃんは前世も日本人だったらしく、わずかですが漢字や難しい言葉も覚えていて本を難なく読破していきました。

そして本で学んだ内容を私にわかりやすい言葉で教えてくれました。

それまでの私はすべての人類は魂の成長のために輪廻転生を繰り返すという事実さえも知りませんでした。

私は無知なゆえに自己中だった時期もありました。

しかし赤ちゃんの話によると自己中のまま人生を終えたら、来世もまた同じ課題を抱えた人生を送ることになるそうです。

来世は今世よりも魂レベルの高い人生を送りたいのなら、今のうちに魂のレベルをアップをしておいた方が良いとのことでした。

それからは私は心を入れ替え、自分ばかりではなく周りの人たちの幸せも考えられるようになりました。

また赤ちゃんの話によると、自分だけでなく、みんなの幸せを考えられる人たちがある一定数を超えたら、人類も良い方向に向かっていくとのことでした。

逆に一定数を超えなければ、人類は自分たちのつけを払わなければならず、恐ろしい出来事が待ち受けているとの事でした。

しかし人々の意識を変えるために何をすれば良いのか想像すらつきませんでした。

赤ちゃんの話によると今から数年後にインターネットという世界中の人々と繋がれるツールが出てくるはずなので、そのツールを使って発信をすれば人々の意識を変えられる可能性があるとの事でした。

私はそのツールが出てくる前に人々の意識を変えるための文章をあらかじめ執筆していこうと思いました

赤ちゃんの話によると、そうやって世の中に貢献をすれば、めぐりめぐって自分にも返ってくるとの事でした。

そして魂も成長できるので一石二鳥との事でした。

2年後に赤ちゃんは小学生になりましたが幼稚園の時と同じように小学校に行くことを拒否し、代わりに宇宙人から学びたいことが沢山あると言い残し、UFOに乗ってどこかの星に行ってしまいました。

赤ちゃんは、ひそかに夜空に向かって宇宙人にテレパシーを送り続け、UFOで迎えに来てもらっていたのです。

続きます。→【小説】赤ちゃん、宇宙学校に入学する②

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