思いやりがない人たち、自分さえ良ければ良い人たちが、考えを改めるにはどうすれば良いのか・・・
それは、どんなときでも自分の視点だけではなく、相手の視点で、相手の立場で、相手の気持ちになって考えることが大切です。
会社員時代、温厚な人たちはたくさんいましたが、パワハラされている人を庇ったり、助けている人は滅多に見かけませんでした。
情けないことに私もパワハラ対処法にめぐりあうまではパワハラ現場に遭遇しても、耳を覆うだけで庇うことはできませんでした。
(過去記事:パワハラで苦しんでいる方へ。パワハラ上司の特徴と対策に記載してあります)
そして私がパワハラ上司から机を叩かれ、大声で怒鳴られるようになってからも、目撃者はたくさんいましたが誰も庇ってくれませんでした。
私の向かいの席に座っている同僚Kさんは、私が被害に合っているパワハラの一番の目撃者でした。
パワハラ上司はおしゃべりなKさんにパワハラを言いふらされるのを恐れて口封じのつもりなのか、Kさんを特別に優遇していました。
Kさんは私が怒鳴られている姿を何度見ても同情するどころか優越感に浸っているような表情で私を見ていました。
そして怒鳴られた後の私に「最近ため息が多いね」と話しかけてくることが多々ありました。
それから数年が過ぎ、パワハラ上司と縁が切れ、組織が変わり、またKさんと同じグループになりました。
Kさんとは同じグループでも違うチームでした。
Kさんの上司はパワハラで有名な上司Fでした。
今度は私が、KさんがFに机を叩かれ怒鳴られている姿を目撃するようになりました。
昔、私がされていたのとそっくりなパワハラをKさんはFから受けていました。
Kさんはパワハラされた後は相当参っているのか、泣くのを必死にこらえていました。
その頃の私はパワハラの対処法を知っていたので、Kさんにパワハラを録音して労働組合に訴えるよう伝えました。
そして労働組合の電話番号を渡し、組合は隠密に力になるから名前がFにバレる心配がないことも伝えました。
Kさんは私に「昔、水菜さんがパワハラにあっている時、助けなかったのに自分ばかりが水菜さんに助けてもらうなんて本当に申し訳ない」と何度も謝ってきました。
Kさんは社交辞令ではなく心の底から私に詫びているのが伝わってきました。
その時に感じたのは、決してKさんは思いやりがないわけではなく、パワハラの被害者の立場や気持ちになって考えられなかっただけなのです。
自分が被害にあうことで初めて被害者の痛みや苦しみが理解できたようでした。
その後KさんもFも遠い部署に異動になりKさんもFも離れることになりました。
このことから相手の視点で、相手の立場で、相手の気持ちになって考えることが、思いやりに溢れた優しい人になるための第一歩だと思いました。
人間には想像力があります。
自分が経験しなくても、もし自分だったらと相手の立場や気持ちを想像してみてください。