人は眠っている時、深い眠りのノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠を繰り返します。
眠り始めの3時間は深いノンレム睡眠、その後はレム睡眠、ノンレム睡眠を繰り返し、だんだんと眠りが浅くなって目が覚めます。
成長ホルモンのほとんどは最初の3時間のノンレム睡眠の時に出ているそうです。
成長ホルモンが増えるとコラーゲンやケラチンが形成され肌の水分量も上がるし、傷ついた細胞を修復されるので、
最初の3時間をいかに熟睡するか、どれだけ質の良い睡眠が取れるかで、成長ホルモンの分泌に差が出てくるのです。
深いノンレム睡眠のために大切なのは、昼間のうちにセロトニンという神経伝達物質を十分に分泌させておくことです。
セロトニンを原料にメラトニンという眠りを誘って睡眠の質を良くするホルモンが作られるからです。
時間でいうと、朝の6時から夕方の6時までがセロトニンの分泌タイム、夕方の6時から翌朝の6時まではメラトニン分泌タイムです。
メラトニンの分泌は午前0時から2時ぐらいがピークです。
朝に近づくほど分泌が減るため、同じ睡眠時間でも、0時に寝るのと、夜中の3時に寝るのではスッキリ感が違うのは、このせいでもあると思います。
メラトニンやセロトニンは不眠症やうつ病のほか、体温調節にも関わっているので足りなくなると低体温や冷え性、便秘になりやすかったり、基礎代謝が下がって脂肪がつきやすくなったりします。
さらに甘いものが食べたくなったりもします。
まず、セロトニン分泌のスイッチを入れるには、起きたらすぐに朝の太陽の光を浴びることです。
できれば少しウォーキングをすると良いそうです。
腹筋の収縮を伴う一定のリズムの運動はセロトニンを増やします。
ウォーキング、スクワット、自転車をこぐ、歌を歌う、ガムを噛む、深呼吸などは効果が高いです。
歌を歌う時は口先だけでは効果半減なのでお腹の底から声を出してください。
リズム運動の後、約2時間はセロトニンの血中濃度が増えます。
毎日続けているとセロトニンの感受性が高まり、より分泌しやすくなるそうで、1日30分を毎日行うのが効果的らしいです。
ウォーキングも15分後からセロトニンが出始めるようです。
また深い深呼吸を20分以上するとセロトニンの分泌が2割増えることもわかっています。
光を浴びることでセロトニン分泌のスイッチが入るとしたらメラトニンは光の量が減ってくると分泌し始めます。
夕方以降暗くなってくると分泌量が増え、夜になるとさらに増えて午前2時頃がピークに達します。
なので、寝る2~3時間前ぐらいから部屋の照明を暗めにし、テレビやパソコンは見ない方が良いです。
またメラトニンは朝、太陽の光を浴びてから15時間たたないと分泌されないので、早く寝たい時は早く起きて太陽浴びると良いです。
それでも寝付きが悪い、熟睡できない時は、セロトニンの原料であるカツオ、高野豆腐、きなこなどトリプトファンというアミノ酸の多い食品を取るのがおすすめです。
ビタミンB6も合成に関わるので、バナナ、サツマイモ、アーモンドなども合わせて食べるのも良いです。
睡眠中は消化活動が落ちるので寝る前に食べると熟睡できません。
食事はなるべく寝る3時間前ぐらいに済ませる方が良いです。
さらに寝る2時間前の軽い有酸素運動は寝付きを良くします。
寝る前の飲み物は緑茶、コーヒー、紅茶などのカフェインのあるものはやめて、カモミールティーなどが良いです。
私は会社員時代は寝る前にカモミールティーを飲んでいましたが、不思議とその日のストレスが緩和され、すぐに眠れることもありました。
ちなみにお酒を飲む方は寝る直前まで飲んでいると、ノンレム睡眠が浅くなるそうなので、ほどほどにしてください。
また短時間睡眠でも平気な方はいらっしゃると思いますが、私の場合は7〜8時間寝ないと調子が悪いです。
寝不足の日は頭が働かず、簡単なミスをすることもあるので要注意です。
なので短時間睡眠はあまりおすすめできません。
参考になれば幸いです。