身体を構成する栄養素の中でミネラルが占めるのは約5%ですが、骨、歯、血液などをつくる上で必要で、ビタミンやホルモンを作るときの成分にもなります。
ミネラルの必要量は決して多くはないのですが、体内では合成できないので、足りなくなると身体に様々な問題が起きます。
また酵素は身体のすべての働きを司りますが、その酵素のほとんどの働きにミネラルも関与しています。
例えば亜鉛というミネラルは、100種類以上の酵素の活動を助けている上に、成長ホルモンや性ホルモンの働きも助けています。
脳の神経伝達物質の働きにもミネラルが大きく関わるので、精神や脳の働きにも関与し、ミネラル不足はうつ、低体温、肩こり、肌荒れ、口内炎、体重増加、免疫力にも関わります。
活性酸素を無害化するSOD酵素も、タンパク質とミネラルでできています。
ミネラル不足だと以下の症状が出ます。
- 動悸や息切れがする
- 集中力がない
- イライラする
- 疲れやすくてだるい
- 足がつりやすく、むくみやすい
- 夏バテしやすい
- 爪がもろい、抜け毛、白髪が増えた
- 貧血、冷え性
- 肌のハリがない
- 筋肉は硬くなり、つりやすくなる
ミネラルはいろいろな食品に含まれているので本来は足りなくなるはずがないのですが、現代はミネラル欠乏が起こりやすいのです。
特に日本では農薬、化学肥料が原因で土地がやせ、野菜に含まれるミネラル分が減っているからです。
この50年でほうれん草の鉄分は5分の1以下、にんじんは10分の1、大根は5分の1となり、その結果さらに化学肥料が使われるという悪循環に陥っています。
また穀物が精製されるようになったことや、あらゆる必須ミネラルの吸収を強力に邪魔する「重合リン酸塩」という添加物が入った加工品が増えていることも問題です。
重合リン酸塩は日本で3番目に多く使われている添加物で、ソーセージや缶詰、清涼飲料水、練り物のほか、表示がなくても、ラーメン、化学調味料、パン、ケーキ、ガムにも入っていることが多いそうです。
ミネラルは全体では約120種類ほどあります。
人間の体内には16種類のミネラルが必須と言われ、中でも特に不可欠な7種類のミネラルを主要必須ミネラル、残りの9種類を微量必須ミネラルと呼びます。
しかしその他のミネラルの中にも微量でも必須なのではと言われるものもあり、
ようするにミネラルは約60種類ほどのミネラルの全体のバランスによって作用するので、種類豊富にバランスよく摂取することが大切です。
必須ミネラル16種類
【主要必須ミネラル】
カルシウム、マグネシウム、カリウム、硫黄、ナトリウム、塩素、リン
【微量必須ミネラル】
鉄、亜鉛、マンガン、ヨウ素、セレン、モリブデン、クロム、コバルト、銅
またミネラルには「無機」と「有機」があります。
塩、にがり、ミネラルウォーターに含まれるミネラルは無機ミネラルのため、ほとんど吸収できません。
人間の腸が吸収しやすいのは植物や動物に一回吸収されて、有機化合物と結びついた有機ミネラルだけなのです。
有機ミネラルをできるだけ体内に入れる方法は
- 加工品をできるだけ減らす。製造工程でミネラルが減ってしまい、しかもミネラルを体内から奪う重合リン酸塩を含んでいることが多いからです。
- 無肥料で無農薬の野菜や果物を食べる。自然農法だと土が良くなり、根が長く伸びていくのでビタミン、ミネラルが多い傾向にあります。
- だしの素ではミネラルがとれないので、煮干しや昆布でだしをとります。特にあご(飛び魚)の煮干しにはマグネシウムが多く含まれています。
- 骨や内臓を丸ごと食べられる小魚や干しえび、わかめ、ひじき、あおさ、もずくなどの海藻や、大豆、ナッツ、ごまを食べる。ミネラルが豊富です。
- ふりかけの代わりにかつお節やいわし節をかけて食べる。
参考になれば幸いです。
参考記事:ミネラルが多く含まれている食材