今回は経皮毒について記事にしてみました。
経皮毒とは一言でいうと皮膚から有害性のある化学物質が吸収されることをいいます。
通常の皮膚は外からの細菌や有害物質の侵入を防ぐために何重構造にもなっています。
皮膚の表面から皮脂膜、角質層、顆粒層、有棘層、基底層、真皮、皮下組織の順で構成されています。
皮膚の表面に成分を与えても、油や油に溶けるもの、分子量が500以下の小さなものでない限りは角質層までしか吸収できません。
例えばコラーゲンは分子量が30万、ヒアルロン酸は分子量が100万ぐらいなので、化粧品に配合しても通常は皮膚の表面にとどまって保湿を強化するのみです。
しかし合成界面活性剤には、外から異物が入り込まないよう、そして肌の水分が蒸発しないように乾燥を防いだりしている肌バリアを破る力があります。
合成界面活性剤は水分と油分を混ぜるときに使う化学物質で、油に馴染む性質があるため、肌バリアを形成している皮脂や皮脂膜ともなじんでしまい、肌バリアを緩めてしまうのです。
安価で乳化力も強く、安定した製品を作れるため、多くの企業が当たり前のように合成界面活性剤を使用しています。
主にクレンジング、洗顔料、スキンケア用品、メイク用品、歯磨き粉、シャンプー、リンス、洗剤に入っています。
合成界面活性剤は慢性的な乾燥肌や敏感肌を作り上げてしまうだけではなく、肌バリアが緩んだところに化粧品などの化学物質が真皮や皮下組織に入ることで経皮毒の危険性が出てきます。
例えばラウリル硫酸ナトリウムは分子量が289、プロピレングリコールは76、エデト酸塩は292というように入ってほしくない化学物質は分子量が500以下のものが多くて真皮まで浸透する危険があるのです。
そして真皮の毛細血管に入り込み、これらが血液によって体中を駆け巡り臓器に害を与えたり脂肪に蓄積すると言われています。
血液や脂肪中に蓄積された化学物質を尿で体外に排出するために働いてくれる腎臓や肝臓に多大な負担をかけてしまいます。
これらが蓄積されすぎて少量の化学物質にも過敏に肌が反応してしまう化学物質過敏症やアレルギーになる場合もあるので注意が必要です。
また経皮毒が吸収されやすい部分とそうでない部分があります。
角質が厚い部分は皮膚のバリア機能が強く、角質が薄い部分はバリアを壊しやすいのです。
バリアが壊れやすい場所は目の周り、唇、頬、首、頭皮、脇の下など
逆に足の裏などは角質が暑いのでバリアは壊れません。
それよりも粘膜はもっと成分を吸収しやすいところがあります。
日常的に化学物質の悪影響を受けやすいのは口の中と生殖器です。
生殖器は腕の内側の肌と比べると42倍も吸収されやすく口の中は13倍だそうです。
おまけに肌や粘膜はお風呂などで体が温まると皮膚血管は拡張するので吸収率がさらに10倍になります。
注意が必要なのは歯磨き粉、入浴剤、ボディーソープ、シャンプー、リンスです。
これらは粘膜に接するし、シャンプーはバリアが弱い頭皮に温まった状態で使うので要注意です。
歯磨き粉も口の中に入るうえで、毎日使うものだから影響はとても大きいです。
経皮毒のことを考えると、分子量の小さい化学物質や合成界面活性剤が含まれていないものを使うのが安心です。
石けんなどの安全性の高い界面活性剤や大豆からとれるレシチンなど天然の界面活性剤が使われているのが良いと思います。
「無添加」、「植物性」、「天然」などと書かれていても実際には合成界面活性剤が含まれることもありますので注意が必要です。
本当は何も使用しないのが一番良いのですが・・・