荒れ放題の畑をお金を使わずに再生

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空き家とセットで購入した畑は、10年以上放置されていたようで当初は不法投棄されていた不用品が散乱していたり、地中に埋まっていたり、ビニールハウスの骨組みだけが畑に残っていたり、人が通れないぐらいの木の枝や茅、草、蔓が生い茂っていたり、茅が密集して株になっていたり、手も足も出ない状態でした。

空き家を購入した当初、不動産屋さんから紹介された農業委員の人に『畑の大量の茅株を抜根するには人の手では無理で、機械を使って株がある地面を掘り起こすしかないから業者に依頼した方がいい』と言われていましたが、

近くの畑のおじいさんから、『お金をかけずに自力でやってみて、どうしても無理なら業者に依頼したら良いのではないか』とアドバイスを頂き、今現在も色々とご指導を頂いています。

畑の不用品を片付けた後は、おじいさんの草刈機で草の刈り方を教わりました。

おじいさんの草刈機を借りましたが、燃料を入れてエンジンで動くタイプの30年前から使っている草刈機で、最初は草刈機が重くて動かすのがやっとでしたが、使っているうちに徐々に慣れて草刈機を使いこなせるようになりました。

草刈り機で刈った茅や草を鍬を使って、一箇所にまとめる作業も体力を要します。

春になったら刈った茅を燃やす予定でいます。

また、おじいさんはショベルカーではなく、スコップで茅株の抜根をしてくれています。

人の力だけでは無理な強靭な茅株はテコの原理を利用して木とスコップだけでも抜根できる方法を教わりその知恵に驚かされました。

テコの原理を利用しても、私の力では抜根は到底無理ですが、おじいさんは若者並みの怪力なので驚かされっぱなしです。

茅株は見た限り、20株ほどあるので気が遠くなりますが、おじいさんは前向きに頑張ってくれて、ありがたく感謝しかありません。

春に農業を始められるよう、今の内にできる限りのことをするようアドバイスをもらいました。

畑を再生する作業をお金を払って業者に依頼したら、何ひとつ経験できなかったことばかりだったので、適切なアドバイスをしてもらったり、無償で作業を手伝ってくれるおじいさんには感謝してもしきれません。

体力を消耗し時間はかかりますが、自立に向かって前進していることを実感できてからは作業のひとつひとつが物凄く楽しくなりました。

冬なのに、汗だくになりながら大好きな大自然の中で作業できるのも私にとっては最高の贅沢です。

おじいさんは私がリアルで初めて出会えた、お金に依存せずに自力自立をモットーに生きる無血革命の実践者でした。

おじいさんは普段から必要な物でも、なるべく買わずに不用品を改造したりして物を大切に使っているそうです。

現に、おじいさんの指導のもと、処分予定だったビニールハウスの骨格を解体し、アーチ形の骨格部分の金属を真っ直ぐに伸ばして、適切な長さに切断することで、イノシシ避けに使うポールをつくることができました。

おじいさんは色々なスキルを持っているだけではなく、創意工夫の達人です。

イノシシはジャガイモを掘り起こすので、畑の周りに、このポールを立てて、ネットを張って対策すれば良いとアドバイスをくれました。

また、おじいさんは「人間はみんな金、金、金なので嫌になるときがある。みんなお金を取らずにお互いに無償で施し合えばいいのに!と思っている」と言ったときには本当に驚きました。

リアルでそのような価値観の人に出会えたのは初めてだったからです。

最近の天気の良い日の午前中はおじいさんと一緒に畑の再生をやり、午後の3時間はおじいさんにスマホの操作方法を教え、その後は日が暮れるまで、畑の再生をやるといったスケジュールになっています。

おじいさんはスマホでネットの検索ができるようになったり、LINEを少し使えるようになったり、Google mapを見れるようになったり、少しずつですがスマホを使えるようになってきたので、ネットが苦手な母はおじいさんの理解力に感心しっぱなしでした。

しかし、おじいさんが「ネットの情報を鵜呑みにせずに、あくまでも参考にした方が良いね。ネットを見過ぎてもいかんね!」と言ったときには倒れそうになりました。

おじいさんはどんなにスマホを使えるようになっても、ムーンショット行きにはならなそうなので安心しました(笑)

また、「畑の再生は機械を使わなければ無理」といった常識を覆してくれたおじいさんには本当に感謝しかありません。

お金を使わずに自力でやることで、貴重な経験と知識とスキルを手に入れられ、人にもアドバイスできるようになったのを強く実感できたことにも感謝です。

PS
おじいさんは近くの畑を借りているだけで、家は少し遠い所にあるので車で畑にきています。
おじいさんは70代半ばであること以外は自分のことは一切語らないので謎に包まれています。
また、おじいさんは私と母のこれまでの経歴や個人情報は一切聞いてきません。
大抵の初対面の人は皆、年齢や職業、勤め先、学歴、既婚か未婚か、恋人の有無を聞いてくるので珍しいと思いました。
母がお昼ご飯を用意すると、大変恐縮していましたが、何も受け取ってくれないのでせめて、お昼ご飯を食べてくれたら私たちも嬉しいと伝えたら、その気持ちを受け取ってくれたので嬉しかったです。

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