身体に良い油、悪い油

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脂質は健康と美容にとても重要な働きをします。

【脂質の体内での働き】

  • 身体を動かすエネルギー
  • 全身60兆個の細胞膜の原料(細胞膜は栄養を取り入れたり、老廃物を排出する出入り口)
  • 各種ホルモンの原料  
  • 血液の原料
  • 食物の消化、吸収
  • 脂溶性ビタミンの運搬
  • 体温を正常に整える

脂質でできた身体の組織は毎日摂取している油にどんどん置き変わっていくので、どんな油を選ぶかはとても大切です。

特に神経細胞のかたまりである脳は水分を除くと約60%は脂質です。

太るイメージがある油ですが、良くない油を摂りすぎない限りは、むしろ悪玉コレステロール値を下げたり、細胞膜を柔らかくしてアレルギーを防いだり、美肌に導いたり、中性脂肪を燃焼させたりしてくれる油もあります。

まずは油を選ぶときは「油の作られ方」、「油の種類」にこだわってください。

また、なるべくオーガニックのものを選ぶようにしてください

目次

油の作られ方

石油系溶剤のノルマンヘキサン抽出法(現代主流)

圧搾法より原料に含まれる油分をたくさん搾れると言う理由で昭和30年代の高度経済成長期に始まったのが石油系溶剤のノルマンヘキサン抽出法です。

低温圧搾では、含まれる油分の約30%ほどしか搾られなかったものが、100%近く搾れるようになるので、現代はこちらの作り方が主流になり、スーパーで売られているサラダ油のほとんどがこのタイプです。

石油系の溶剤ノルマンヘキサンをかけて、脂肪を溶かし出しますが、ノルマンヘキサンはガソリンやベンジンの主成分で急性毒性もあるので、これらを蒸発させるために、

200℃以上の高温で何度も加熱して薬品で脱臭脱色する必要があります。

そのため、ヒドロキシノネナールという神経毒性のある物質が発生してしまうことが指摘されています。

さらにトランス脂肪酸が増え、加熱に弱い栄養素や抗酸化力のある色素なども消えてしまいます。

低温圧搾法

江戸時代から昭和20年代まで、油は主に「石臼式玉搾り法」と言う方法で搾られていました。

原料になる植物の種子や果実に圧力をかけて搾り取る。

まるでコールドプレスジュースのようなオーソドックスな方法です。

江戸時代は矢締め式や油搾木式といった種子を臼に入れて石を置いて木組みして人力で圧をかけるといった方法や、石臼の重みに圧を加えて搾る石臼式玉搾り法などが主流でした。

明治30年代には、らせんのスクリューで、もっと効果的に圧を加えて搾る圧搾機が導入されるようになり、だいぶ効率的に油が搾れるようになりました。

こうした昔ながらの圧搾法というのは油自体を高温加熱したり薬剤を加えないので、栄養価が高く、油の劣化も少なく、美しい黄金色や緑色をしています。

油を選ぶときはノルマンヘキサン抽出法の油ではなく、低温圧搾法の油を選ぶようにしてください。

次は油の種類です。

油の種類

積極的に摂るべき油

オメガ3脂肪酸

αーリノレン酸

亜麻仁油、えごま油、チアシード油、グリーンナッツ油など

体内では合成できない必須脂肪酸で一日大さじ一杯を目安に、生のままサラダや納豆にかけると良いです。
酸化しやすいので冷蔵庫保存で早めに使い切るようにしてください。
細胞膜が柔らかくなるので栄養の吸収も老廃物の排出もスムーズになり、美しい肌や髪、抗アレルギーに効果的です。

DHA・EPA

青魚、オキアミなど魚介類の油

脳は水を除くと約60%が脂質でできていますが、そのうちの25%がDHAで特に記憶力に関わっています。
目の網膜の脂質の約60%もDHAなので、目にも大切な油です。
EPAは血液をサラサラにして血行を良くし、血栓症や動脈硬化を防ぐ効果があり、肌のうるおいを司るセラミドの原料にもなります。

摂るべき油

オメガ9脂肪酸

オレイン酸

オリーブ油、アボガド油、菜種油など

不飽和脂肪酸の中で一番融点が高く、酸化しにくいため、加熱調理に向きます。
必須脂肪酸ではありませんが、悪玉コレステロールだけを下げる働きがあることや胃酸の過剰な分泌を防いだり、便秘解消にも役立つと言われています。

飽和脂肪酸

ラウリン酸、ミリスチン酸など

ココナッツオイル

飽和脂肪酸ですが中鎖脂肪酸が多く、肝臓で速やかに吸収され、エネルギーとして使用されダイエットにも良いと言われています。
アルツハイマーの予防や改善にも役立ちます。
酸化に強いので加熱料理用の油に最適です。

摂りすぎない方がいい油

オメガ6脂肪酸

リノール酸

コーン油、紅花油、大豆油など

必須脂肪酸ですが、摂りすぎると細胞膜を硬くしアトピー、花粉症、様々な炎症が悪化することが指摘されています。
一般のサラダ油に使われていることが多いのと、あらゆるオイルにも含まれているので、現代人は摂りすぎ傾向にあります。

飽和脂肪酸

パルミチン酸、ステアリン酸など

牛肉、豚肉、鶏肉など

植物油より酸化しにくい点は良いのですが、常温で固まり、人間は牛や豚などの動物よりも体温が低いので動物性脂肪を摂ると体内で固まりやすく、摂りすぎると血中コレステロール値を上げて血液の流れが悪くなります。

摂取したらダメな油

トランス脂肪酸

マーガリン、ショートニング、ヘキサン抽出の油

人間が手を加えたため自然界にはあまりない不自然な構造で、細胞膜に取り込まれるとウィルスや細菌が侵入しやすく、アレルギー、動脈硬化、がん、認知症のリスクを高めます。

パンやお菓子などに含まれています。

詳細は過去記事のトランス脂肪酸には要注意!をご参照ください。

積極的に摂るべき油を摂取し、摂りすぎない方がいい油は少なめに、摂取したらダメな油を断つことで、細胞膜やホルモン、脳機能、アレルギー症状、PMS、肌などが変わっていくことと思います。

参考になれば幸いです。

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